4月11日 月曜日 6:30
今日は朝から2年生はじめの学力テストのある日です。それなりに勉強したつもりです。そう結果は悪くないはずだと言い聞かせます。カーテン越しの柔らかい日差しの中、重たい体を起こします。
7:20 三堂駅
ホームにさしかかると、氷室くんと県くんが談笑しているのが見えます。県くんはベンチに座り、氷室くんはその傍に立っていて、氷室くんの影が県くんにかかっています。
こちらに気付いて、「おはよう」と挨拶する氷室くんはいつもと変わりない様子ですが、県くんは目に見えて元気がありません。
「はぁーあ」
うんざりした顔をして、下を向いてしまいました。氷室くんはそれを見てにこにこ、にやにや、しています。
「国丸、でっかい溜息ついちゃってぇ」
「うーん」
県くんは具合悪そうに頬を引っ掻いています。
「テスト、国語と英語って何時間目?」
「1時間目2時間目。はぁーーーあ……」国丸くんが罰が悪そうに頭をかいています。
「国語と英語が苦手なの?」
と聞くと、ううーーん、苦手。と言って泣きそうな顔をこちら側に向けます。
「国丸って、文系科目ができなさすぎるから理系クラスに進んだんですよ。ね」
「ああ……まったくもってそう……」
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電車
「ほんとに元気ないね」
県くんはまた大きなため息をついてカバンの金具をパタパタと手でもてあそんでいます
「じゃあ、逆にお前ら元気なのぉ……?」
「僕はぁ、テスト終わったからね」
「あそ……」
1私も元気ないよ。2横から答え教えてあげるよ
1
2う…………うわぁあああ
そんなんダメなんだって。ううー
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9:00 1時間目 テスト開始時刻
「解答用紙と問題用紙が配られたら、裏向きにしたまま、開始の合図を待ってください。」
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県くんがげっそりした顔でこちらにアイコンタクトをよこします。やっっっっと終わった……そういう目つきです。恨みがましそうにすら見えます。「次は数学だね」「やっっっっと終わった!よっしゃ。よっしゃぁっ」「あれ?数学は嫌じゃないの?」「理系科目は苦手じゃないん」「ふうん……?って、あっ。数学とか理科とかさ 上位常連じゃない?」県くんの名前を私はもっと以前に見たことがあったはずです。理系科目のテスト結果の貼り出しで「県国丸」くんはいつも上位にある名前でした。学年の成績上位50名は廊下に掲示がされるのです。「県くん、名前珍しーからさ、貼ってあったよね?」「一応……数学とかはマシなん」「じゃあ、国語苦手って言っても、それに比べたらできないだけで、それなりにできるってこと?」県くんは100点を取れなかった……と悔やむ完璧主義タイプなのかもしれません。県くんの代わり?に安心していますが、県くんは恨めしそうな顔のままです。「……お前は何もわかってない……答案返ってきたら見せたる。俺の本当の姿をな……」
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12:50 昼休み
「お疲れ~え」県くんが大きい伸びをしてあくびをしています。英語が終わった時と表情が全然違います。相変わらず昼食はゼリー飲料のみのようです。「社会は平気そうだったね。表情を見るに」「あ?社会もできんよ……歴史とか覚えれんし」●テストは週明け返却される。この学校にはテスト後、誤答した問題と誤答の理由をノートに分析させる慣習があり、振り返り習慣という。点数が低い場合その手間が大変なことになる。「5時間目から授業だってね」「始業式後すぐ休みだったせいでやっと学校始まったって感じ」
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13:40 5時間目 現代文
午後は2,3年は授業スタートの日だった
5現文🕷初授業/6保健/7LHR
飯沼先生が教室に入ってくる。春休みに一度、それにこの前職員室前でも会っているので久々という感じはしない。「今年、現代文を担当する、飯沼と言います。よろしくお願いします。」
今日は今年一年の現代文の一発目なので、いろいろ説明して終わりです。
先生、声張るの苦手なので……なんと基本的には先生の声が全く聞こえなくても配布のプリントちゃんと見とけばテストは取れるようにしてあります。2学期の最後まではね。
現代文って勉強してないのになんか点とれちゃう人や勉強してるのになんか点とれない人が存在しちゃう変な教科なので……
その仕組みをお話しして、ふーんってなってもらってから今年の予定をお話ししようかな……
背景知識
読解力
語彙力
回答力
二年生で扱う文学作品や評論は、大の大人も読めない人がいっぱいいるくらい難しいものです
先ほど申し上げた背景知識や語彙力は、
君たちの二倍くらい生きた人が書いた文章を読み解くための武器を、二分の一しか生きていない君たちに求める方が不自然なくらい
時々いる勉強しなくても現代文できちゃう人は、普段から、大人が回している社会に興味を持っていて、昔の人が積み上げてきた学問に興味を持っていて、自然と背景知識や語彙力を身に着けてしまっている人なので、稀です。殆どの人には当てはまりません。
先生をはじめとする現代文の先生は、こんな難しいことを教え子に求めてくる大学受験の問題に向けて、
語彙力のない子に無理やり難しい言葉暗記させて、
背景知識のない子でも文章からヒントを探すコツを体系立てて教えて…
とかやってるので、すごい大変です
現代文ってむずい言葉ばっか出てくるしこわ~いってなっちゃうんだろうね。
正直、「大人になったら読めるようになるよ」なんて感じすらあります。
ただ理系クラスに進んだ皆さんはほとんど進学されますから、
いざ受験ってなった時にむずい文章をポンって出されても、ある程度太刀打ちできる武器を少しでも2年生から増やそうってな具合で鍛えていきます。
https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/text/hs/gk/kokugo/book006/level5/index.htm
現代文のチュートリアル
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5時間目に1年生が担任と学校内見て回ってた
「あ、皆さん、窓の外の 皆さんの後ろの方。1年生ですよ。学校内見て回ってるんだってさ。手振ってあげたら」
クラスのお調子者っぽい子たちがぶんぶん手を振っている。1年生も気づいて手を振っている。
「あ、友達いる」「へー?」「前から2番目の男の子」「あの子かな?」「今手上げた子」
県くんが手ふってた 知り合いがいるらしい
多分あの子かなってこが手ふりかえしてたのを見た
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15:30 7時間目 LHR
「はー。先生久々の授業で疲れちゃった……」
「委員長決めます。したい人」するとある一人が手を挙げた「他にいない?じゃあー君、よろしくお願いします。起立して」してもらこと説明 そのうえで短い挨拶
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選択 職員室 イベントない限りなしでもいいかも
飯沼先生いらっしゃいますか?「あ、斎藤くん。どうしました?」「もう帰るんで先生の顔見にきました/現代文
江木先生「あれ、飯沼先生」「はい」「江木先生いませんか?」「あ、先程離席されましたよ。理科準備室じゃないかな」「一応どこにいるかのプレートあるけどね、江木先生使わないから。急ぎ?」先生の机どんなのか見に来ただけです
職員室寄ってから 県君と氷室君と帰った