プリンシパルはキャストの中でも一等特別です。それをはじめにご理解いただいてプリンシパルの特徴を勉強いただいたなら、むしろブロキマナクの「特別でないこと」の勉強にも同時になるというものです。

プリンシパルは12くらい存在しているというのが通説ですが、プリンシパルなのかそうでないのか分からない名前もキャスト名簿にはございますし、プログラム冊子に浮かぶこともありますから、12ぴったりですとは言い得ないわけです。

プリンシパルがそうなら特別でないキャストは、数の決まりなどなくいっぱいいたり全くいなかったりするということになりますね。

どちらにせよ言及すべきはプリンシパルはブロキマナクに点在する描かれるべきドラマ、鑑賞すべき演目、語られるべきおはなしの中で主役であるということです。ですからブロキマナクを俯瞰で観察すると自ずとプリンシパルが目立って他が影ってしまうなんてこともあります。注目されたくない気質のものがプリンシパルになんかなってしまうと、ブロキマナクは地獄として描かれかねませんね。

さて、プリンシパルがそうなら特別でないキャストは主役でないことがほとんどということになります。ですがブロキマナクが主役として描けば、それはその物語の中でプリンシパルも同然なのだということにもなりますね。

プリンシパルは贔屓されています。プリンシパルですからという枕詞で飾って仕舞えば大抵のものを調達できるというものです。ごちそう、とりまき、いしょう、おしろ、そういうものはプリンシパルなら望めば手に入らなくもありません。望めばですが。しかしプリンシパルが望んでも手に入らないものだってございます。それは思い通りの結末です。ブロキマナクでは主人公だからといって、選んだ喜劇や悲劇が手に入るというものではございません。

さあ、プリンシパルがそうなら特別でないキャストは望んだままにごちそうやとりまきを得られないというふうにも言えます。だったらもしかして、プリンシパルの物語よりも脇役の物語の方がなかなかどうして、面白そうではありませんか。

240107