キャストもあなたと同じです。言葉を交換してお互いの中身を探す。「口」を介した「音」かはさておき。言をしるしに置き換えて、物質にに彫刻(薄く伸ばしてマークにすることを含みます)することで、言を先送り可能な状態にすることを、「メモにする」と表現します。メモは持ち運びができる言葉で大変便利に使われるのですが、気をつけなければいけないことだって充分にあります。メモの言葉は使うたび、残留した意味により徐々に濁っていきます。いつしか元の意味ととても良く似た別質の対象を指すものに成り代わり、そうなれば元の意味を阻害します。ブロキマナクでは定期的に、少なくとも階層を経る毎にメモをクリーンナップし、観念が素直に行き届く空間を保ちます。なのでメモを永遠に残るとか、意味が変わらないとか、確約されているとかとしては不都合です。メモが残るのは長くても階層を同じくする間のみです。そのメモの応用が本。あなたの方がご存知な筈の、特徴的な箱型におられたメモの束を本と呼びます。二つ折りにしたメモを重ねて、セリやキョウレイキスギの糸で繋ぎ合わせて本にします。本を縫うということは特別です。何せブロキマナクがブロキマナクである前、地面すらなかった頃から本はあったという作り話をキャストの多くが共有していますから。永遠に縫い続けられた、もはや箱状ではなく無限の花弁のような本。それこそブロキマナクの土台となったとされる●です。

240925