シャールは新鮮が好きではありません。グレブのところから餌木の元で働くことになった時ですら、抵抗がありました。その抵抗は好奇心と恋心で振り切りました。だからシャールは知っています。好奇心と恋心が、自分を怖いところに連れていくかもしれないことを。しかしシャールは、「抵抗がある」は許せるものの、「抵抗する」ことはすごく嫌いなのです。好奇心と恋心が在ってしまっているのは確かなので、諦めて自分を変えてしまうことにしました。餌木のシャールになった途端、仕事らしい仕事は消え失せました。グレブのところにいたときにしていた諸々の仕事が懐かしくなるくらいに。だからある時後輩は、退屈そうですね、と言いました。後輩の名前はレクトと言って、グレブのところで秘書をしていたころ、シャールより後に舞台に上がり、グレブの秘書になったキャストです。