ヒーローという言葉を聞いたことはありますか?ヴィランという言葉は聞いたことがありますか?きっとあなたならあるのでしょう。これらの名称だって例に漏れず、ゲストからの借り物なのですから。
 ヒーローやヴィランというのはキャストのザグリーに関係した言葉です。キャストは大体ある方法でザグリーを測っており、その際明らかになった特徴によって「ヒーロー」か「ヴィラン」かに分類されるのです。
キャストがヒーローであるということは、状況が彼の味方をするということです。キャストがヴィランとであるとは彼は状況に見放されるということです。ですからこれらはキャストの運命の種類。一部では運命様式と呼ばれます。
 ブロキマナクは舞台ですから、ヒーローとヴィランというのもある種の席の名前でもあります。ブロキマナクは舞台ですから、キャスティングには命より重い意味があります。型番を変えてもヒーローはヒーロー、ヴィランはヴィラン。うまれたまま、特性を変えることはありません。その特性に基づいてキャストの物語はつむがれる。
 ヒーローに生まれたならば、彼の思い描いた通りのシナリオを引き当てることが多くなります。ですから彼らには余裕があります。あまり備えるということはしません。だって願いが叶うとあらかじめ決まっているようなものですから。時にはヴィランと寄り添うことでその運命を分け与えるなどをすることも考えられます。彼らが異様に堂々として見えるのは、彼らが彼らの人生の舞台において、不測の事態を想定していないからなのです。
 ヴィランに生まれたならば、彼の望まなかったシナリオを引き当てることが多くなります。ですから彼らは忙しい。そして不足の事態に動じません。だって不測の事態が訪れることがあらかじめ決まっているようなものですから。備えが深いことが多く、時にはヒーローに起こり得ない波瀾万丈を分け与えるなどをすることがあります。彼らが思慮深さを持つ、もしくは用心深く物事を計画するのは、ヴィランのことは台本でさえ裏切ることがあるからなのです。
 ヒーローだから、ヴィランだからといって上下や優劣はありません。それぞれの安楽があり、それぞれの苦労があります。本人は運命の種類を理解していて、それと共に舞台の上で生きていく。どちらに生まれたにせよ、それしかできないのです。
 ところで、ゲストには決まった運命がないのですか?

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