この静けさには原因はない
ただ現れるだけの風景のようなものです

そうですね
この憂鬱のたびにカレンダーに印を付けようか
そうしたら管理できるようにでもなるのだろうか
憂鬱を狙い打てるだろうか
規則性が見えるだろうか
感情を数値にできるだろうか

鮮やかでないことが心地よく
誰も僕を見ていない事実が愛おしい

ひとり、部屋で、できることでもしたいことでもなく手が勝手にすることを眺めるだけです
それが僕と世界です
何も飾る必要のない無駄のない世界です
空気が薄い高度ですので
悲しいも嬉しいも薄い高度です

僕が透明だろうがにごっていようが底を見ようとしてくれることは知っています

美しいものなにもかも間違いなく人間が生んだものではない
人が生めるものなんて高が知れているように感じませんか
作品は作者の為にあればいい

そうですね
説明してあげる義理はないのです
僕は僕の為に手を動かします
僕の表現には矛先はない
僕の受容範囲を広くするため 過去の自分が見たものを思い出す為のもの
僕の表現は杯です

僕も世界も美しい
誰も要らない程に
自分さえ要らない程に

140204