朝7:20に駅

ホームへの階段を登っていると、背中をつつかれました。振り向くと、一見仏頂面に見えなくもない県くんがいます。
「はよ」
「おはよう」
氷室くんのところに

「おはようー。言ってたバイトね、港里港駅前のカフェバーの。16日に面接来てほしいって。また詳しいことは文章で連絡入れときますね」

どっかに入れるそういやあいつマンションオーナーの息子なんですよ。え!?最上階のひろ~い家住んでるボンボンよ。ダイニングテーブル白い大理石だし…すご

「ありがとう。受かるかな?」

「大丈夫ですよ。バイト初めて?」「うん」

「僕と同じ学校の先輩いるから学生僕らだけじゃないし、みんなやさしいから。僕も始めたばっかですし、心配ないよ。ただ……」「何、クソ客でも来んの」県くんが興味半分に聞く。「違う違う……怖いくらいはちゃめちゃな美形で、すんごい、すんごい、イケメンの先輩がいるんですよ。きれいすぎて、ぎょっとはするかもなぁ」「なにそれ」「どうせーくん受かるだろうからね。辞める人と入れ違いだし……いずれイケメン見れるから、お楽しみに」

ふうん…?

AM 午前授業 2−3時間目の休み時間

「水曜って数学がいきなり連続してるから眠いなぁ」

「県くんは数学得意だもんね」

「まぁ……
ただ水曜はその後の現文が……」

数学のテストが帰ってきた

眠い?

「ほんとに……飯沼先生てさ、眠らそうとしてしゃべってない?一番眠い」

1「飯沼先生好きだから目ぱっちりで授業受けてるよ

2「それはわかる」

基礎学力テストは休み明け帰ってくる

昼休み 

/5芸術/6芸術/

17:00 三堂駅 改札口

「あ、氷室おるぞ。手振ってる」「ほんとだ」改札を出た先から、駅内の私たちへこちらに気づいて手を振っている氷室くんがいます。その横には津ばき学院の制服を着た男の子がいて、こちらに会釈しているようです。「あいつも幼なじみだよ。昨日言ってた子」「もしかして、昨日県くんが手ふってた子?」「そうそう」

「国丸、すっかり斎藤くんと仲良いね」県くんは氷室くんにおー、と返事をします。「斎藤くん。この子、石田浩二(いしだこうじ)くんです。そっちの学校の1年生」
そして氷室くんはその彼に、私を示して続けます。
「彼ですよ。●くんて。僕と国丸が最近仲良くなった子」
「ああ」
いくらか氷室くんから話を聞いているのかもしれません。あまり表情を変えない印象の、真面目そうな、どことなく気だるそうな男の子で、背は氷室くんや県くんと同じくらい、180cm前後でしょうか。
「はじめまして。1-1の石田です」
「2-2の斎藤和佳です。よろしく」
「どもです」
「浩二くんはー、僕と国丸の舎弟です」
「舎弟なんですか?」
「舎弟なん?」
「国丸と一緒で、幼稚園から一緒のご近所さん」
「そうなんだ……」
話している間、石田くんはなんだか不思議なものをそうな面持ちで、氷室くんを眺めている。
「あの」
「ん」
「氷室さんてなんでこんな斎藤くんに懐いてるんですか?」
「あっ」
「タイプなんだろ」
氷室くんはバツが悪そうにしている「えーとぉ、●くんは、僕が図書館で家鍵落としたの拾って、追いかけて届けてくれた、恩人なんです。それで出会ったんです。で、その日にお茶してー、仲良くなったんですよね」
1ね2「しかも、ーさんは国丸のクラスメイトですから。
失礼のないように」
「へえ……不思議な縁ですね」
「ほんとな。てかこんなに話すんならアイスでも買って公園行こ」「そですね」

0:00 三堂運動公園 池側ベンチ

「石田くんのことはたろちんと呼んでくださいね。」
「なんでたろちん?いしだこうじくんなのに」
「なんでだっけ?」
「まぁなんか、正司が、あだ名でなんとか太郎って呼びだした……のが定着した」
「ふーん?石田くんも二人と家近いんだよね」
「そうです」石田くんがアイスを持っていない方の手で公園の東側の住宅街を指さします。「あっちにある一軒家です。すぐそこですよ」
氷室くんが続いてその方向に見える背の高い白いマンションを指さします。「ぼくんちは、あれの7階です。国丸は12階。たろちんちもほぼマンションの隣」
私のアパートにほど近いマンションです。なんとみんなこの近辺に住んでいるようでした。
「私の家、そこの、黒い屋根のアパート」
「まじ?近。なんで今まで出会わなかったんだろ」
「この辺まあまあ津ばきの人いません?結構制服見る気がする」
「海創の制服は見んけど」
「うーん。いないのかなやっぱ」

0:00 住宅街

せっかくお家が近くなので自然とみんなで帰ることになりました。これからちょくちょくこうして遊ぶことになるのかもしれません。私は氷室くんの左隣を歩いていて、その後ろに県くんと石田くんが歩いています。日は傾いていて赤く、空はうっすら夕焼けのはじまりかけた色をしています。「たろち生徒会入った?」「ああ、うん」1「生徒会?早くない?」2「生徒会?えらいね」

「入学前から決めてたんで」「陸上はやめるん?」県くんが加えて質問をします。「うーん、20日まで体験入部期間なんで、ゆっくり決めます。やめるかも」「斎藤くんて部活入ってる?」「帰宅部だよ」「

「たろち、俺らの中で一番体育会系な。俺はからっきしだけど」
「アッッ 僕だって中学運動部だったもんっ」
「バレー部ね」
「なんで体育会系で張り合うん?」「ーさんにいいとこ見せよと思って」「んでマウンティングか」
「情けない人だな」

ねえ 石田くんの連絡先知りたいな。

「はえ!?」
「なんで先輩が驚くんですか」
「なんか……なんか悔しかったから……」「はぁ」
「誰しもが正司みたいに下心で連絡先聞いたりせんから」

1「別に下心0じゃないけど

2「氷室くんて面白いね」

1「……どう反応すべき?」「俺に聞かんでよ」

2「ははは

石田くんと連絡先を交換した。「ありがとう」「いえ」「浩二も一緒に行こ」「うん」「7:20の電車ね」「斎藤くんもいるんですよね。よろしくです」

氷室くんから連絡だ 面接の日ついでに遊ぼうよ。どうせ港里港出るしあの辺で。/いいね/多分この時間に面接してくれるのってついでに昼食べてけばって言ってくれると思うんですよね」「え?いいのかな」「たーぶんそういう意味で昼に呼んでるんだと思うんだけどなぁ。だから適当に昼前に集まって一緒にそのカフェ行って面接して、ご飯食べてその後遊びますか」「うん」