私の/君。

餌木の目指しているものを餌木は説明できますか?意図と言っていいのなら、餌木はそれを気取らせません。ここにいる皆さんには、予測しようがないからです。餌木に使命はありませんが、使命を帯びているかのようです。愛の使命を。あなたには愛を説明ができますか?シャールに必要のない情報を排除し、シャールを無垢な姿をキープしなければならないのです。天然ものに、オリジナルに、原生林に限りなく近いシャールを、手元に揃えて束にして、〇を組まなければなりません。彼が生まれたこの土壌を、育成に適したプリミティブな質に保つ為、餌木はグレブが作った世界を学びました。この世界を外と繋げずとも、原生林を維持できると確信できたので、世界を閉じました。しかしそれによって世界が世界の目的を果たさなくなれば、適切な生育地帯ではなくなるでしょうから、偽の客をゲストと称して、浮かべる技巧も凝らしました。ちょっとした技巧にすら、生きて死ぬと言えば聞こえはいいものの……何周分の時間、時間と言えば聞こえはいいものの……手間を割いたのでしょう。 餌木にとってみればもはや、餌木、要は自らすら、無垢なシャールの生育には邪魔でした。ですから餌木は別れました。それに、アルチュールとナリエを置きました。餌木じゃないカタリ達により、シャールと自分の可能性を効率よく収集していくとも言えます。短絡的に見れば。餌木自らは、コレクションの中でシャールと遊ぶ心づもりでいるので、保育器では、ブロキマナクでは、演技に徹しました。コレクションの中でなら、アルチュールにもナリエにもなれるのですから。理論上は。コレクション前のシャールは、コレクションの中でこれから一生遊ぶための雛形です。雛形には触れたことがないこともあります。/:だとしたら餌木は何処にいるの。/